織りと祈りはどこかにている
毎週月金は機織りの日です。
団体名は「聖 夢工房(ひじり ゆめこうぼう)」。公民館の一室をお借りして、村民の方々と機織りをしています。
素材は絹、ウール、木綿、麻。できるのはストールやマフラー、膝掛け、のれんなど。
冬場と春先は農閑期なのもあり、みなさん精が出ます。
私が去年の四月に初めて来た頃は、半分くらいお茶会だったのですが。笑
今では食事もそこそこに、午前中だけだった作業時間はほぼ一日に。
朝から夕方まで、ひたすらに。
麻績村と機織り
麻績村は、養蚕が盛んに行われた地域でもあり、一昔前まで、どこのお家にも織り機があって、屑糸で着物などを織っていたそうです。
村のあちこちに桑の木が生え、古いお家にはお蚕様を飼っていた名残が見られます。
今では織り機も、倉の奥底で眠っていたり、燃やされてしまったり。
だからこそ、こうして織り機に触れられる機会は、とても稀有で尊いものであると感じています。
夢工房で使用している織り機は、近隣市町村の方々から譲っていただいたものです。
「おる」という日本語
「織る(oru)」とは「祈る(inーoru)」「守る(mamーoru)」に通ずるもののような、気がします。
古来より着物に用いられてきた絹は、蚕が自らの身を守るためにつくった繭よりうまれます。
またそのまま、着物というのはからだを守るものです。
そして、誰かが誰かを守るために、織るものです。
日本語のみなもとを辿ると、蜘蛛の糸のように複雑に絡み合い、けれど理論だって存在する、世界の摂理、のようなものに触れる心地がします。すごい、なんて世界はうまくできているんだろうと、思います。